太陽の塔

太陽の塔』読了。

太陽の塔 (新潮文庫)

太陽の塔 (新潮文庫)

一読して「なんか『鴨川ホルモー』に似ているなあ」と感じたのは、無駄にインテリジェンスにあふれる京大生主人公の一人語りで物語が進む点とかかなあ。
物語の設定としては『ホルモー』の方が荒唐無稽なのだけれど、『太陽の塔』は微妙かつ絶妙に世界(京都)がファンタジックだ。万民にお勧めできるものではないけれど、青臭い男の独りよがりな妄想だとか、京都だとか、太陽の塔とかに何らかのシンパシーを感じられる人にはお勧めしたい。
また物語のタイトルでもある太陽の塔の描写が泣きたくなるほどすばらしい。巻末の本上まなみの解説もすばらしい。同じような季節を同じような場所で過ごしていたんだなぁとか思うとまた泣きたくなる。