去年の今日

夕暮れ時、歩道に入ろうとして目に入った車止め。
あっと思ったときには宙に浮かんでいたんすよね。
そのまま顔面から地面にたたきつけられていた。
多分気は失わなかったと思う。

真っ先に動きを確認したのは、商売道具である両手の指。
これは動いたし、ちゃんと十本あった。

次に顔を触ろうとしたら右手がちょっと重い、しょうがないので左手で顔を触った。
やっぱり生暖かかった。

近くを通りかかったおっちゃんが
「救急車呼んだ方がええで」と言ってくれたので、
左手でケータイを引っ張り出した。

救急車は程なく来てくれた、状態を説明するとストレッチャーに乗せられ、CROSSRIDERを近所の工場の自転車置き場にカギでつないでくれた。

病院で頭と腕をレントゲン、CTで撮ってもらった。
「折れてます」と宣言された。その時はどれほどの怪我であるかはまだわかっていなかった。

翌日CTの結果を聞きに来るよう言われて帰された。

家まで歩いて帰るにはちょっとめんどくさい距離だったのでタクシーを拾おうかと思ったけれど、結局CROSSRIDERを見に落車現場まで戻った。

CROSSRIDEはチェーンが外れ、グリップがちょっと擦れていた以外はほぼ無傷だった。
チェーンをかけようと思ったのだけれど、折れた右腕ではちゃんとかけられなかったので、そこからおよそ4㎞、押して帰った。

これが一年前の今日のお話。
今では両手でちゃんとキー入力もできていますよ。
あれから今日までボクにかかわってくれたすべての人達に感謝。