2005.06.21鈴木祥子withカーネーション@BananaHall雑感

さて、記憶が薄れてしまう前に火曜日のLIVEについて書き留めておきたいと思います。
誤解を恐れずに言えば、祥子さんwithカーネーション/客それぞれの思惑や気の持ちようはすれ違っていたとは思うのですが、それを補ってもあまりある素晴らしい楽曲群と演奏力、ロック魂がガツンと感じられる素晴らしいライヴでした。

久しぶりに開場前にBananaHall前に並んで30分待ちましたよ。客層はやはり「コアな鈴木祥子ファン」と言った感じで、先日の「音楽感謝@京都メトロ」の時に比べても若干重め、おとなしめな感じ。開場時に少しお話ししたかきのきさんも「いつも(カーネーション@BananaHall)と違うね」と言っていそいそと中に入っていかれました。
さて、ぴあのプレリザーブで取った30番台のチケットで入ったところ、ステージ前の丸椅子は5割方埋まったくらいの状態でした。椅子がなかったら前に行っていたのにな…なんて思いながら一番前のテーブル席を、東京から駆けつけてくるはしさんの分も確保。はしさんが駆けつけたのは開演ちょっと前でしたが、まだ余裕のある時間でした。

曲の詳しい解説とかは割愛。
カーネーション単独の曲も含めて、2時間半本当に楽しめました。

ただね、やっぱりフロア最前列の丸椅子席はいらないっすよ。
あの場所はスタンディングにするべきだったと思います。ちょっと年齢層高め、かつおとなしめな鈴木祥子ファン(マニア)にとってはありがたい丸椅子席だったかと思うのですが、逆に「シン」と聴き入るようなリアクション、みんなで揃って揉み手前ノリな手拍子、なんて言う画一的なリアクションを生み出していたのは、あの丸椅子だったように思えましたよ。
100歩譲って弾き語りライブではアレで良いとしても、特にカーネーションをバンドに据えてのライヴでは前はあけとくべきっすよ、wacはそう思いました。京都メトロと違って段差のあるBananaHallなんすから。

「幸せになって、この曲を封印してやる!」と宣言した「Happiness」。
歌に入るといつもではネタにする部分でも真剣に歌い飛ばし、間奏ではタンバリンを投げ捨てて、おもむろにウーリッツァを弾き殴る。格好いいじゃあないっすか。

発売時色んなモヤモヤを見事に吹き飛ばしてくれた「paingiver」。
この曲に込められたメッセージを再確認しました。MCでにおわせているのになかなか反応しない客に「とりあえずみんな立とうか」と声をかけたのは結局直枝さんでした。まあこの曲まで立てなかったwacがいくら何を言ってもしょうがないのですが、ヘッドバンギングしまくりましたよ。

カヴァー曲「Perfect 10」ではぶっとい太田さんのオーバードライヴベースと矢部さんのタイトなドラムのグルーブの上で祥子さんと直枝さんが歌う。ただそれだけで曲が成り立つかっこよさ。寄り添う祥子さんにちょっと後ずさる直枝さんのほほえましさ。

矢部さんのラップスティールとウーリッツァで奏でられた名曲「swallow」も深くたゆたうようにゆったりと良い感じでしたよ。

祥子さんによるカーネーションのカヴァー曲は、名曲「レオナルド」。多分オリジナルキー(?G)で、低く重く歌い出されたこの曲は、今回のライヴの白眉のひとつでした。本当に大好きな曲なんで、この選曲は嬉しかったっすよ。

とにかく良いライヴだったんすよ、テンションも演奏も申し分ない。「なんでホール内のライヴ案内では『鈴木祥子』って呼び捨てなんだ、『祥子様』って書き足さなきゃ」なんて直枝さんの祥子さん崇拝発言も際だって良い感じでした。

今回は祥子さんが終演後「サインするからね」と宣言して、いつもはすぐ追い出されるBananaHall内でサイン会。ふと見れば横のCD売り場には直枝さんも。こちらは人が少なかったあたりが…なのですが、京都メトロで見た熱烈な祥子さんファンの方々がカーネーションのツアーTシャツを着て、直枝さんにサインをもらっている姿なんかも見かけました。
両方のファンを10年以上やっているwacには何とも嬉しい光景なんですが、そんなに垣根は高いっすか!?志というか魂のあり方なんて言うと大げさになってしまいますが、鈴木祥子カーネーションも両方好きって言う人は、両者の共演の機会は逃さないで欲しいっすよ、もったいないっすよ。片方のファンもこの両者がなぜ惹かれあっているか体感して欲しいっす。The BandとBob Dylanのように、Neil YoungとCrazy Horseのように、渾然一体となって演奏している両者は例えようもなく格好いいっす。ファンのひいき目と言われればそれまでなのですがね。

あと鈴木祥子ファンのすごいなぁと思ったところは、アンコールの拍手が速くならないところ。初めての体験だったように思いますが、2度のアンコール両方とも、途中で速くなったりせずに最後までかなり正確なテンポで刻んでいました。すごい。