小雪舞う中

物語の始まり

朝から「ゆうパック」が届きました。なんと初めて某オクで競り勝って手に入れた(最初に入れた額ギリギリまで最後の一分でせり上げられたよ、ホッ)「現状渡し:舶来」レンズです。っておい、「FISH-EYE ZOOMがこの間届いたばかりやんけ!」なんて言うお約束の突っ込みは、心の奥数千里の彼方にとうに置いてきておりますよ、ええ。

目指すは長堀橋

さて「現状渡し」のレンズ、いじっているうちに「非常に動きが堅い」と言われていた絞り羽根が絞り込みピンに連動しなくなってきました。さっそくweb検索するとどうやらその舶来レンズメーカーの持病のような故障らしい。
さっそく大阪市内でクラシックカメラ/レンズの修理をやっている店を検索する。とどうやら、この間ぶらぶらとしていた時に発見できなかった長堀/船場の「大阪写真会館」にそのような店がある模様。これで目指す場所は決まり!! 車で向かうか電車で向かうか少々逡巡するも、すぐ「そうだ、自転車で行こう!!」と決定。珍しくすぐさまテキパキと準備をすませると正午頃に家を出る。

冬の町

珍しくマフラーを巻いていって正解。途中モスの前に設置してあるメッセージボードには「今日の大阪の最高気温は6度、風邪をひかないように」なんて書いてる。ちょうどチラチラと小雪が舞い始めた。キコキコ自転車を漕ぎながら考えた「昼の日中でこの寒さ、帰る時本当に帰り着けるだろうか…」なんて心が折れてくる。
「そういえば…先日ここいらを車で通った時に『街のカメラ屋さん』って感じの店を見かけたなぁ、行ってみるか…」なんて思いながら自転車をこぎ続けると、その店はあった。

あなたの街のカメラ屋さん

wacが一眼レフ/交換レンズをいじくるようになったのは最近。ということで、街のカメラ屋さんなんかに冷やかしにはいるようになったのは本当にごくごく最近。「写真館」「カメラ店」の二系統から、「プリント店」に流れて細々と営業しているようなちょっと寂れた店も多く、結局市内の老舗や大型店に行ってしまうことが多いのですが、その店はちょっと違うように見えた。
店の扉に「どんなメーカーのカメラ/レンズでも修理承ります」なんてコトが書いてある。この時点で心が50%くらい折れた、「長堀橋遠いしな…」と。店内に展示してある新品/中古のカメラ/レンズの品揃えはいかにも「街のカメラ店」といった風情で、PENTAXなんかはやっぱり少ないし、TAKUMAR系が多いような感じ。店主さんが「うちのショウケースは鍵かけてませんから、気になるモノは手に取ってみて下さい」「この(ミニ)カレンダーどうぞ、なんかあったら、電話してくれましたら相談に乗りますよ」なんて穏やかに声をかけてくれる。この時点でもう50%の決意も折れてしまった。
店主さんに声をかけ*ist Dに着けていたそのレンズを外し店主さんに症状を説明すると「珍しいレンズやねえ」といいながらも一週間で見積もりを出してくれるとのこと。
その前後にも、店のおなじみさんらしきオッチャン達が続々と狭い店内に押しかけてくる。どうやら自分たちの「作品」の手焼きを受取に来たようで、2L判くらいの紙焼きを見ながらいろんなことをあーだこーだ批評しあっている。なんか良い雰囲気だなあ。どうやら「写真塾」をやっていて、コンテストなんかも開いているらしい。コンパクトのジャンクをいじくっていると、「目利き次第です、一台どうですか」なんてすすめてくるし、FUJI Filmのフリーペーパーなんかも「勉強用に」なんて一部手渡される。なんか良い感じなので、今度一回プリント頼もうかな…なんて思いながら外に出ると、小雪は止んで、青空が顔をのぞかせていた。

そして知らない小道探索

結局そこから回り道しながら家路をたどる。大体の方向を意識していると大きな道にすぐ突き当たるので何とかなる。「ココにこんなお店が」とか感心したり、街角スナップしたりしながら気がつけば「千林商店街」の中、ドライフルーツの露天でまたもやオッチャンに声をかけられる「若い人はみんなマンゴー好きでしょ」とか。「いや、芋納豆とか…そこの『奉天』とか食べ始めたら止まらないっす」「甘いモノ好きネ」なんてやりとりをしているうちに珈琲コーティングされたアーモンドと芋納豆を買うことにする。がこちらの店主はザクザクと袋の中に入れ始める。\400/100gとか書いてあるよ、これ…なんて思っていると「はい、じゃ、こんだけで\4100…\4000に負けとくネ」…をいをい…。「ちょっと多すぎますよ、半分に減らして下さい、スンマセンねぇ」というとオッチャンは渋々ザクザクと減らしていく。今度は値段、負けてくれませんでした。

昼食そして帰宅

ここまで朝から食事をとっていなかったので、ケンタッキーに飛び込み、ドラゴンツイスターセットをいただき、帰りに本屋に寄って雑誌なんかを購入して帰宅。寒かったよ。