12/12「カーネーション 20周年 in 九段会館」T席の誘惑

カメラはダメです

わかっていたことなので、先にこちらからケースをつきだして「使いません」と言ったんすが「持ち込まないで下さい」と止められました。ケースに封印を貼るなど対策をしてくれたら嬉しかったんすけどね。ちょっとだけ粘ってしまったので、会場入りが遅れてしまいました…。

席取り

会場内に入ってみると、PA後ろの3列程がT席として割り当てられている模様。wacがもめているうちにめんちかつさん(id:nota10)は既に通路下手側すぐ横に陣取ってセッティングを始めている。時間はない。上手側にスタンドを立て始めている人に「横に入れてもらって良いっすか!?」とことわって入れてもらう。入って見るまでもなくPA真後ろの好位置だった。

常在戦場

さてT席最前列(上手側はPA、下手側は照明ブースの真後ろとも言う)のすぐ後ろの席一列潰して、機材用長机の上に6ヶ口のタップが固定してある。とにかくみんなが鬼のような形相とスピードで黙々とセッティングしている。wacも慌ててスタンドを立て録音機(DAT/MD)とACアダプターを出す。先ほど列に入れてくれたスタンドを立てていた人は、テーブルタップを用意してミキサーと録音機用に分岐しようとしている様子だった。もちろんwacもすぐさまタップで分岐しようとしたところ、スタッフのお兄さんがやってきて「すいませんタップは困ります、ここにも書いてあります」と先ほど場内で受け取ったビラを指し示す(もちろん余裕がなかったので見ていなかった)。となりの人と一緒にちょびっとだけ食い下がるが却下される。最悪のことを考えてバッテリーの予備も用意はしてあるので、バックアップメディアのMDはバッテリ駆動で行くかと諦める…あきらめ…。

られねえよやっぱり!!wac右手の人は既にセッティングを終えている。多分夫婦で来られていた旦那さんの方。マイクこそカメラ用三脚にガムテで固定したSONY ECM-MS907かと思われるスタンダードなモデルのようだけれど、カセット録音機はTASCAMかどこかの3U〜4Uのごつい機械を持ってきている。「スイマセン、もしよろしければ電源一個ずらしていただいて良いですか!?」とお願いすると「良いですよ」と快いお返事。すぐに電源を落として、一個ずらして下さいましたm(_ _)m。
これで六ヶ口タップの両サイドをwacのACでふさぐことになったが、他の電源はふさいでいない。左隣の人もミキサーとデッキを既に接続している。

あとはメディアの準備。テープの早送り通しとか、ラベリングとかそういうことを全然やっていないので大慌てだ。時間は多分もうあまり無い。レベル調整もしておかなければならない。とくにMD機RZ-900はメディア入れ替えの度にレベル設定がオートになるので、切り替えが必要な為、操作に慣れておく(因みにマイクはクリップスタンドを前席に固定して、そのホルダーに挟むことにした)。左隣のスタンドを立てていた人の録音機はどうやらデンスケ(おそらくTC-3000SD)で、レベルメーターの針の振れ方も懐かしい…。「スタンドどれくらい上げてもいいんすかね」なんて話したりしているうちに開演ブザーが鳴る。慌ててrec startするT席の面々。が、諸注意の後に間が開くので、再び頭出しをするT席の面々。

開演

客電が落ち、いつものオープニングSEが鳴る。ちゃんと鳴り始める前に反応できた自分をほめてあげたいとか思ったらMDのスタートが遅れた。液晶光らせられないのはネックっすね。既にペンライトを出して電池を充填するには遅すぎる…。
カーネーションの3人が登場するがT席の上手サイド(少なくともwacおよびその両横)は誰もステージを見ていない!!みんながレベルメーターをにらんで、一曲目のイントロを待つ。

♪ずっくっぎゃぎゃ〜ずじゃらら〜にゃがにゃがにゃが…

「Ooh! Baby」のイントロが鳴り始めた瞬間、ボクの表情はゆがんでいたに違いない。歪んでいる!!DATのレベル設定がおかしい!! 特に矢部さんのスネアが鳴って歌にはいると、デジタル録音機特有のパリパリピシピシしたノイズが乗りまくっている。それなのにレベルメーターはそれほど振れていないのだ。冷静になれていたらすぐさま対処できていたのだと思うんだけれど、要はアッテネータの設定を間違えていたのだ。が、その場では大慌てでそこまで思いが至らない。場当たり的に軽く録音レベルを下げて、MDの方のチェックをする。こちらの方がよほど聴きやすい音が聞こえているのにちょっとショックを受けつつ再びDATに戻る。やっぱり歪んでいる…。曲終盤でアッテネータに気が付いたものの、切り替えて再度レベルメーターに触れた時、少し下げて聞こえなくなってしまいへこむ。ようやく顔を上げる。周りの人達も既に演奏を聴いている。そうか、こんな距離感(BananaHall最後列よりちょっと遠いくらいに感じたよ)で彼等が見えてたんやな、なんて1曲目の終わりの感想じゃないよなぁ。

雑感

曲順やゲストについてはめんちかつさん12/13のエントリーakakitさん12/14のエントリーを見て下さい。

以下個人的な雑感
「意外に初めの方からゲストが出るんやなー」
「良明*1さんは相変わらず脂っこいなー」
「「トンピクレン」*2って…若いカネファンは知らんのちゃうかなー」
「良明さん息切れてるなぁ」
「実は東京に着いて最初に口ずさんだ歌が「Come sta,Tokyo?」だったのは内緒にしておこう」
「博文*3さんは相変わらず地味やなぁ」
「ボクハナク」*4ってこういう曲やってんなぁ、ライダーズでやるより良いかも
「慶一さん*5は見るたびに老けるなぁ」
「うわ、弦ばっかり5人でロックやってるよ、なんか泣けてきた」
「これって「スーパー・ムーンライダーズ」であり「スーパー・カーネーション」やなぁ」
「っていうかこのバンドのフルライヴみたいっすよ」
「あ、デンスケ止まったけど、お隣さん気が付いていないよ、お知らせしないと(「ドントラ」もったいねー!!)」
「え「1部?2部?」どっちが終了って言ったん!?」
「客電がつくのはありがたいなぁ、メディア交換が楽に出来るよ」
宮川弾トリオ良いなぁ」
「えっ、「Lovers&Sisters」とか「カウボーイロマンス」とかバンドとトリオと競演してくれないの!?」
「座って聴けるカーネーション良いねぇ」あ、みんなレベル上げてるや、オレも…。
「大野さんのウニョウニョシンセ良いなぁ」
「中森さんのギターカッケー」
「おいおい、もうエンジェルかよ、っていうか今日のライヴはやすぎるよ、寂しいよ」
「うしゃーMDメディア80分にしておいて良かった…本編ぎりぎりやったぁ」
「一応アンコールでもメディア交換…と」
「「Lovers&Sisters」キター!なんかね、プロモビデオとか思い出して涙が出るよ」
「ああ「EDO RIVER」〜「夜の煙突」終末モードやねー、東京で見るカネもこれが最後ねと…とか思ってたら青山*6さん&祥子様*7キター!」
「今度は7本弦楽器が並んでるよ、ユニゾンが気持ええ〜、祥子様の声が突き抜けてるよ…嗚呼」

祭りの後

とにかく撤収時間が厳格に決まっていたようで、直枝さんのコメントの後ファンみんなが念入りにメンバーを送り出すと、SEとアナウンスが流れる。T席は再び戦場となり、比較的軽装かつのぞみの時間ぎりぎりなめんちかつさんは「お先に」とばかりに会場を後にする。案の定残っているのはwacとデンスケ氏。
wacが片づけをようやくやっつけ「お疲れ様でした!!」と声をかけると「またどっかで機会があれば!!」と返して下さいました。できればまた、こんな夢のような、戦場のようなライヴを経験してみたいっすよ。そん時はご一緒しましょう。と心の中で言いながら会場を後にすると、出口は大渋滞。
返却場でカメラを受け取って、普段なら最も渋滞しているはずのグッズ売り場方面の出口がすいていたのでTシャツを購入して、おみやげの詩集を受け取ってそちらから退出する。
まさか混んでいた方に直枝さんがいたなんてorz
って言うかその場の写真を撮っているオレってorzいや想像はしてみたんだけれども、そんなアホなとか思って駅に降りていったオレってorz

とにかく今回のライヴ、行った甲斐がありました。
何よりもT席で少ないながらも交わした言葉達、機材はそれぞれ違うながらも、みんなが自分の好きな機械で、自分の好きなバンドの音を残そうとしているその雰囲気。馴れ合いではなかったっすよ。でもなんかぴりっとした雰囲気の中に連帯感が感じられて、前で一緒に踊るのとは違った楽しさがありました。
企画して下さったメンバー、実現して下さったスタッフ、無理を聞いて下さった現場スタッフの皆様、本当にありがとうございました。年末の忙しい時期ながら、無理をして東京まで出かけていった甲斐がありました。少しずつ時間をかけて、録音音源を楽しんでいきたいと思います。
現場で出会った皆様、また会いましょう!!どこかのT席で!!

*1:白井良明-ムーンライダーズのギタリスト

*2:「トンピクレンッ子」-ムーンライダーズ1982年の傑作アルバム青空百景収録

*3:鈴木博文-ムーンライダーズのベーシスト

*4:「ボクハナク」-ムーンライダーズ1986年の大傑作アルバムDON'T TRUST OVER THIRTY収録、

*5:鈴木慶一-ムーンライダーズ一家の首領/首魁/ゴッドファーザー

*6:青山陽一-カーネーションの盟友。太田氏が元いたバンド、グランドファーザーズの首謀者

*7:鈴木祥子-シンガーソングライター、とにかくロックなお方