ティアーズ・オブ・クラウン

「ロック」という言葉に対して憧れつつ心酔できないという、単純かつアンビバレンスな感情を持っていた10代終わり頃のボクにとって忌野清志郎という人は「日本のロックの象徴」のような人で、『COVERS』*1騒動や『タイマーズ*2騒動で友人達が喝采と歓声を上げる中、少し取り残されたような思いをしていたのを覚えています。
RCサクセションブルーハーツローザ・ルクセンブルグボ・ガンボスエレファントカシマシ…ここいらのCDやテープをボクは一本も持っていなかった、にもかかわらず毎日のように聴くことができたのは、友人達が熱烈に支持し、聴き、演奏していたからに他ならない。対してボクは「他の価値観」としてポップを模索し平沢進P-MODEL松尾清憲Qujila高橋幸宏鈴木祥子ムーンライダーズ、そしてカーネーションなどに耽溺していく。ボクが「ロック」という価値観に素直になれたのは、O師との競演ライヴに行く車中で「wacの弾き語りはロックやで」と言ってもらえたからに他ならない、要は自信が無かったんすよね。カーネーションの「ロック・ゾンビ」*3という曲の歌詞の影響も大きかったっす。
そんなこんなで昨日久々に入り込んだレコ屋の日本のポップ・ミュージックの安DVDコーナーでRCを手に取ってみた。まあ既にここ数年で数枚のRCの音源を手に入れたりしているんすけどね…。

ティアーズ・オブ・クラウン [DVD] 『ティアーズ・オブ・クラウン』 RCサクセション

80年代どまん中のRCを追体験してみようと思う。

*1:COVERS 『COVERS』 RCサクセション 1988年:ロック(他)名曲のカヴァー・アルバム、反核、反原発的な日本語詞が東芝に「不適切」と判断されたようで「素晴らしすぎて発売できません」のコピー(このコピー自身が「カヴァー」だったりするようですが…)と共に突然発売中止→Kittyから発売という経緯をたどり、ロックの世界だけでなく社会現象まで巻き起こした問題作(??)、いや、ロックながらものほほんとした良いアルバムなんすけどねぇ…

*2:『TIMERS』 THE TIMERS ASIN:B00005GLCQ 1989年:「COVERS」問題に呼応するように現れた謎の(?)土木作業員系覆面ロックバンド、なぜかメンバー名はザ・タイガースのメンバーに準えられ、ヴォーカルはどう聞いても…、とにかく『夜ヒット』出演翌日はどこもかしこもこのバンドの話題で持ちきりでした

*3:エレキングカーネーション ASIN:B00005GG9H 収録 1991年:「ロック・サラリーマンの悲哀と開き直り」とか書くと「それは違う」とか「ユニコーンかい」とか言うことになりそうですが、良い曲です。