『ペンギン・ハイウェイ』

朝から雨の予報だったので、電車通勤。
電車の中では、できるだけ本を読んでいたいし音楽を聴いていたい。普段の自転車通勤ではではできないのでね。
というわけで今週よんでいたのは森見登美彦の『ペンギン・ハイウェイ』。

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

舞台はおそらく学研都市の奈良京都県境あたりの新興住宅地。
少年とお姉さんとペンギンと海の物語。
物語はいつもながらの森見節というか、飄々と、淡々と少年の日常視点で進んでいく。
いつも思うのだけど、この人が書く女性というのはいつも女神じみている。女神でないならアニマというかなんというか。
お話は淡々としながらもSFで謎に満ちているのだけれど、小学4年生の少年少女達は果敢にも謎に挑んで行く。晩春から梅雨を経て夏休みに突入し、秋になって物語は終わる。

電車の中でかなり読み進めたので、帰りにラーメン屋で夕飯を摂ったあと、一気に家で読み終えた。
家で一人で読み終えて本当に良かった。
おっさんの琴線に触れまくりである。おっさんの中の「少年」の部分をいきなり掘り起こされてしまった感じである。つまりはやられてしなったわけで、読みながら不覚にも…。
少年は泣かないと決めたというのに。

森見登美彦おそるべしと改めて思ったのでありました。