ムーンライダーズ@なんばHatch

ムーンライダーズ無期限活動休止。
このニュースを聞いても、実は「ああ、なるほど」としか思わなかった。チケットは先に買っていたし「もしかしたら聴き納めになるのかなぁ…」なんて思ったくらい。
『最後の晩餐』でムーンライダーズに出会った自分は、ファンとしては新参だと思っていた。新譜は買うし、ライヴがあれば行くけれど、'00年代に入ってからは熱心なリスナーですらなかった。

でも今日のライヴを聴いて震えた。

今までで一番演奏が上手かったとか、演出からPA含めて恐るべき精度・練度だったとか、色々あるのだけれど、こんなにライヴを集中してみたのは初めてだったかもしれない。
今日のライヴのことをちょっと誰かに言っておきたくて、職場の音楽好きな(おそらくムーンライダーズを知っていそうな)先輩に話しをしたことがあったのだけれど、「代表曲ってどんなん!?」と聞かれて相変わらず口ごもってしまった。

だけど今日のライヴを聴いて「この曲も、あの曲も」と認識を新たにした。ちゃんと言えなかった自分が悔やまれる。

さて、定時ちょっと過ぎに職場を出て18時過ぎになんばHatchに着いた。
すぐに列に並んで、入場したらすぐに物販で大盤振る舞い。荷物をコインロッカーに放り込んで鍵をかけたところで、出し忘れのものに気が着くという間抜けぶり。
席に着くとほどなくしてライヴは始まった。

以下徒然
ふざけた場内放送に被さるように、6人それぞれが会場内外で!?それぞれ別々に弾き語りを始めるというスタイルでライヴは何となく始まった。
場内1Fにはかしぶち氏、くじら氏、岡田氏がそれぞれギター、フィドルアコーディオンで弾き語り。正直アコーディオンの音量はにギターもフィドルもやられていた感じ。

その後集合してステージ前に置かれたコンデンサマイクの前で慶一氏、くじら氏、岡田氏で弾き語り。いいなあこの編成…なんて思ったところで全員ステージの上へ。
夏秋さんのDrsが背骨になって図太い演奏は最高でした。ムーンライダーズは男声ユニゾンが素晴らしいことでも有名(一部ファン調べ)ですが、今日はコーラスもすさまじく良かった。レコードを再現した、きれいなコーラスが随所で聴けて鳥肌が立った。

序盤のたたみかけでは「Don't Trust Anyone Over 30」で一回目の泣きが入ってしまいました。この曲のAメロBメロの流麗さは本当に素晴らしい。今回は'80sコンテンポラリーって言うかピーターさん風というかそんな感じで、良いアレンジでした。「涙は悲しさだけで、出来てるんじゃない」とかどうしようかと思ってしまいましたよ。良くも悪くも僕は『最後の晩餐』と『DON'T TRUST OVER THIRTY』でムーンライダーズの認識が出来上がっているのだなあと再認識してしまいました。