『鈴木祥子ソロライブ"bleedingheart,shakingtree 2"』@BananaHallの感想

*6/5にスズキショウコウェブサイトで発表されたセットリストとかなりの隔たりがありました、記憶違いをお詫びし、注記を入れてさらしておきます(6/5 wac記)

ちうわけでちょっと落ち着いたとこで5/12の鈴木祥子さんのLIVEの感想を書いてみます。

  • 仕事が17:45ちょっと前に終わり、到着したのは18:30過ぎ(高速をかっ飛ばしましたよ)。
    • で中に入る前に「鈴木祥子のニュー・シングル、ライヴ・アルバム、フォト・エッセイ集いかがですか〜」の売り声に販売コーナーを眺めたら『創作ノオト〜金髪の川辺、情熱の彼岸。 上』というハードカバーの薄い本を発見、ライヴ会場限定で\1500とのことなので、「ええい、祭りじゃ、ご祝儀じゃ!」と思わず買ってしまいました。
    • ドリンク・カウンターでジンジャーエールを頼んで開場を見わたすと、まだ後ろの方に空席がちらほら。昨年9月のカーネーション今年3月の上田現と立ち見スペースで見ていたので、迷わず席確保。しばらくすると立ち見スペースにも人が入ってくるような感じになりました、冷房はきつめです。
  • SEはボブ・ディランの古い曲が流れてました
  • 15分くらい押しでライヴスタート。
    • チューブトップ(??)にタイトなパンツというお姿で唐突に登場。中央で辞儀をして上手側のウーリッツァーの前に座り「Happy Someday」からスタート。
    • 2曲目には早速中央のグランドピアノに移動してエレクトリック・ヴァイオリンの勝井祐二氏を招じ入れ「イギリスのトラッドをやります」と「Death & the Lady」という曲を始める。勝井氏のE.Violinはこの曲ではエフェクティヴかつトリッキーなディレイを利かせた演奏に終始する。「トラッドだからトラッド風」でないのはもったいないなぁと思いつつも結構面白い。更にイングランド風のトラッドに祥子さんの声が合っているのか合っていないのか、どっかあぶなげな感じで繰り返しの多い曲の世界がズブズブと深まっていく。
    • 3曲目は多分この日やった中では一番古い曲*1「Swallow」。この曲で勝井氏のプレイは一転、1音ベンドを多用したトラディショナルなスタイルでの演奏、ヴァイオリンと言うよりはフィドルと言った風合い。相変わらずディレイの深い森の中から響いてくるのですが、惚れました。
  • ここいらからなんと眠くなってしまいます。と言うかこの日は本当に体調悪かった上に曲間で祥子さんが「ねえ、暑い?? 寒いよね!! わたし頑張ってこんな格好してきたし。すみませーん冷房切ってくださーい」と言ったことで、この後徐々に蒸してくるのと軽い酸欠とで眠さが加速していく。
  • さらに祥子さん、この日は出だしで、曲中で躓きまくり「間違えちゃった」と曲を止めまくり…。明らかにわかるようなものは少なかったのですが、本人が納得できなかったのか「頭からやり直していい?」とやり直したり、曲中からやり直したり…。でも4年ぶりの大阪ということで皆飢餓感満点だったのか、皆が熱烈なファンだったからか、或いはその両方か、みんなあたたかく拍手で迎えて、やり直す前にはなかった手拍子まで入れたりして…。良いんだか良くないんだか。さらには唯一(?)エレクトリック・ギターを持った曲「南にドライヴして」の盛り上がり手前で弦を切ってしまい(そういえば去年のカーネーションでも1曲目で太田さんがベースの弦切って曲止めたなぁ…)、開き直ってアコギに持ち替え「みんな、こう」と手拍子のパターンを要求してくるとか…。昨年10月のカーネーションとの磔磔でもそうだったけど「客とのつながり」を求めてるんだなーと、当たり前のことを不思議に思った。
  • さて本編中盤は勝井氏を袖に戻し、一人で進めていたんだけれど、どの曲がどんな順番でとかあんまり覚えていません。なんせ眠くて「嗚呼、今日は料金分楽しめないかも」と思っている内に終盤。再び勝井氏を呼び戻し発売されたばかりの「BLONDE / PASSION」*2を演奏。実際は下2曲を逆順だったみたいっす
    • この日の本当の聴き所はここいらだったんだろうな。
    • さらにすさまじい「依存と支配」。元々がアイリッシュっぽいアレンジなんだけれど、勝井氏のダビィなディレイ・フレーズが炸裂、祥子さんは気合いの入ったアルペジオでリズムを支配したかと思うと二人のインタープレイは加速。勝井氏が黙々とフレーズを紡ぐ中、祥子さんは「どの曲で使うんだろう」と思っていたドラムセット*3をおもむろに叩き初めるパンキッシュでジャジーですさまじいインタープレイだった。
    • 結局本編は「そしてなお永遠に」で終わったんだったっけ??実際は「新しい愛の詩」を一人でやったみたい…あれ??二度目のアンコールは??本当にここいらへんは疲れがピークで音酔いしていたので、朦朧とした意識で聴いていました。
  • アンコール、出てくるのがやけに遅いなぁと思っていたらなんとここで衣装チェンジ、赤(ピンク?照明でよくわからなかったっす)のワンピースで登場。
    • 「何かリクエスト無い??」と訊くと客席から「青い空の音符」とすかさず声が飛ぶ。ウーリッツァーの前に座り歌い始める祥子さんに「うわー『Long Long Way Home』*4からだよー」とか思っていると曲中でまたもや停止。でもテンションは落ちないワクワクする。
    • で席をグランドピアノの前に移し、おもむろにFとAの音を取り始めたかと思うと歌い出す「♪ねえどうして手をはなすの」。何事が起こっているんだとうろたえるボクに「Happiness」*5の歌詞は続いていく。涙腺がゆるむ、この曲がなければ今ここにいることもなかったろうとか思う。10数年昔の曲なのにそれまでの曲と違和感なく響く、いや、それまでの曲以上にソウルフルに響く。途中「生まれてからもう25年も」と歌われるところではいきなり曲をぶった切り、ぼやく、と言うか年齢話MCに突入。曲の持っている切実さとは違うあけすけなMCに思わず笑ってしまうが、曲に戻るとまたもやソウルがあふれ出す。最後のコーラスをみんなに要求、今日の客みんなうまいねとか思う。この曲が聴けたことで何かすごい吹っ切れた。すべてはうまくいくとか思えた。そんな曲じゃないんだけどね。
    • で、アコギを手に「Going Home」を歌う、これもwacのツボだ。で、可愛らしいワンピース姿でも、ギターを持つと肩をいからせて猫背気味で、どうもニール・ヤンギッシュなのだ。コーラスをみんなに要求し気持ちよく歌い終えて去っていく祥子さん。
  • しかし客電が点きSEが流れ初めてもアンコールの拍手は続く。
    • こんどは程なくして出てきた祥子さんは「あたらしい愛の詩」を歌い出す。出だしの歌詞「♪東京の〜」の部分を「♪大阪の〜」に変えた歌い出しに拍手が沸き起こる、最初の方で「大阪って熱いよね、暑いじゃなくって人が熱いのがそのまま気温の暑さにつながっているって言うか」などと言うようなことを言っていましたが、気分良くライヴできたのかな?もちろん最後のコーラスはみんなに要求。今度こそ本当の終演、納得できました。

*1:オリジナルでは

*2:BLONDE/PASSION 「BLONDE / PASSION」 鈴木祥子

*3:ウーリッツァーの後方にセッティングされていた

*4:Long Long Way Home』 鈴木祥子 ASIN:B000064PZG とても色の濃いアルバムです、大好き!!

*5:あたしの旅路 『あたしの旅路』 鈴木祥子 のM4にシングル・ヴァージョンが収録されています